あなたの名は・・・ 第七章  ティニー編

 

ティニーが救出されて一日が過ぎた・・・
彼女は解放軍の集結するドズル城に運び込まれて、ラナやコープルたちの治療を受けた。
あらかじめセティが施した応急の回復魔法が功を奏したのか、それほどの大掛かりな治療にならなかった。
二人の回復魔法によりティニーの体は完治に近い状態まで回復した。
しかし、意識はいまだに回復してはいなかった。
コープルの見立てでは、極度の疲労が原因なので心配はないとの事だった。
そして二人はそれぞれ休息に入った。
二人とも本当はティニーの意識が回復するまで看護するつもりだったが、フィーが代わりに看る事を申し出た。
ラナもコープルもティニーの治療の他に、ドズル戦で傷ついた仲間の治療を同時に行っていたため、不眠不休で活動していた。
そのため二人とも疲労の極致にあったため、フィーはその二人を少しでも休んでもらうために、自分が看病を申し出たのだ。

看病を引き継いだフィーは、ティニーの寝ているベットの脇の椅子に座りながらティニーに付き添った。
本当はセティやアーサーも看病を申し出ていたが・・・
「二人とも・・・あなたたちに、寝て汗をかいたティニーの寝間着を変えられることが出来る?」
フィーの指摘に二人は沈黙せざる得なかった。
「ここは女の子である私に任して、二人は休んでいて・・・」
こうして、セティとアーサーは自室へと引き上げていった。

フィーはティニーの傍に付き添いながら、看病を続けた。
寝間着を取り替えたり、時々うなされるティニーの汗を拭きながらフィーは一日中、彼女の傍にいた。
だが、フィー自身も度重なる哨戒や戦いのために体力を消耗しており、夕方近くになると睡魔が襲い掛かってきた。
彼女はいくらか睡魔に抵抗したが、最後には屈服してしまい・・・ティニーのベットに上半身をうつ伏せにして眠ってしまった。
そして・・・日が暮れて、夜になってしばらくした時だった。

「・・・うっ・・・うん・・・」
ティニーの体がモゾモゾと動く・・・
そしてティニーの目がうっすらと開いていき・・・
「・・・ここは・・・」
ティニーは言葉を発した。
ついに意識が回復したのだ。
ティニーは周りを見て、現状を把握しようとした。
彼女が最後に記憶ある場所とは違っていた。
(どこかに部屋みたい・・・)
彼女はどこかの部屋のベットに寝かされていた。
窓の外は暗闇に包まれており、室内は灯された蝋燭の炎によって照らされている。
(ここは・・・どこ?)
彼女は上半身を起き上がらせてみた。
そして彼女の目に、椅子に座りながらベットに体を預けている少女の姿が目に入った。
その少女のことを自分は良く知っている・・・
「・・・?・・・フィー?」
ティニーはポツリと彼女の名を呼んだ。
(なんで・・・フィーがここにいるの・・・)
彼女はいまいち自分がなぜこの様な状況にあるのか理解できなかった。
(私は・・・たしか川に落ちて・・・)

「あれ・・・私・・・」
フィーは、ムクと起き上がった。
いまだに眠いのか、細く焦点の合わない目を擦りながら・・・
「私・・・寝ちゃったんだ・・・」
自分がうたた寝をしてしまったことに気づく。

そしてフィーは眠さを振り払うために顔を振ったとき、その視界に上半身を起き上がらせたティニーの姿が目に入った。
お互いの視線の合う二人・・・
「フィー・・・?」
「・・・ティニー・・・」
フィーは数度、目をパチパチさせた後・・・
「ティニー!!」
ティニーに思いっきり抱きついたのであった。
「良かった! ティニー、意識が戻ったのね!」
ギュウとティニーを抱きしめるフィー。
あまりに力を入れすぎたため、ティニーの体に痛みが走る
「ちょっと、フィー・・・いたい・・・」
「あ! ごめん・・・」
自分が力を入れすぎたことに気づき、フィーは手を離した。
「でも、本当に良かった・・・ティニーが目覚めてくれて・・・」
笑顔でティニーに語りかけるフィー。
ティニーもフィーの顔を見て、暖かいものが心の中に広がっていくのを感じた。

「ところでフィー・・・私は一体・・・」
キョロキョロと周りを見ながら、ティニーは自分の置かれた環境の説明をフィーに求めた。
「ここは解放軍が制圧したドズル城よ。ティニーは救出されたのよ。」
「ドズル城・・・」
ようやくティニーは自分が解放軍にいる事を知った。
「でも・・・私は・・・」
「でも、良かった! ティニーの意識が戻って・・・あっ!待って今、皆に知らせてくる!」
ティニーはどうして自分が救出された事を知りたかったが、その前にフィーは立ち上がって仲間たちにティニーが意識を回復した事を知らせに部屋から出て行ってしまった。

「私は・・・一体どうして・・・」
出て行くフィーの姿を見送ったあと、ティニーは自分の記憶を再整理してみた。
(確か私は・・・イシュタルお姉様を庇って魔法を受けて川に落ちた・・・そのあとは・・・)
ティニーの記憶はそこから途切れていた。
しかし・・・
(確か私・・・水の中で誰かに呼ばれた気がする・・・)
川の中で、自分が誰かの声を聞いた事を思い出す。
(あの時のことは幻だったのかな・・・それとも・・・)
どのようにして自分が助かったかは知らない・・・
でも、あの時自分は確かに死線をさまよった。
だから・・・幻を聞いたかもしれなかった・・・

(・・・違う)
首を振って、テュニーはその考えを否定した。
(私はあの時、確かに聞いた・・・感じた・・・誰かの声を・・・いや・・・聞き覚えのある人の声を・・・)
あの時に聞いた声をティニーは知っていた。
自分にとって大切な人の声を・・・
私の名を呼ぶあの声を・・・自分は何度も聞いているし、なによりもあの声で呼ばれる事が嬉しかった。
(そう・・・あの声は・・・)

「ティニイイィィィィ――――――!!」
バン! と扉が開かれ、その乱暴な入室をした青年が叫んだ。
その声は、あの時自分を呼んでくれた声だった。
(そう・・・あの人の声だ・・・)
叫んだ青年は駆け出しティニーに向かってきた。
そして彼女をしっかりと抱きしめた。

「・・・セティ様・・・」
ティニーは体に痛みを感じながらも、抱きついてきた青年の背中に手を回した。
(セティ様が・・・私を助けてくれたのですね・・・)
「・・・ティニー・・・」
セティも自分の手の中にあるティニーを強く抱きしめる。
抱きしめる力が強くなってきたため痛みは感じたが・・・
(ちょっと痛い・・・でも、今はこうしていたい・・・セティ様とこうして・・・)
大切な人と再会できたティニーは、この抱擁にみを任せていたかった。
それはセティも同じだろう・・・
二人は目を閉じて、体に感じる相手の存在と再会できた喜びを感じていた。
やっと想いあう二人は一緒になることができたのだ。



「・・・お兄ちゃんもやるわね・・・私達がいる前で・・・」
ドアの脇に立っていたフィーは、二人が抱き合う姿を見ながら、顔を赤らめていた。
その隣りには、助け出された少女と血を分けた青年・・・アーサーもいた。

セティとアーサーは、同じ部屋で休んでいたのだった。
そこで二人はティニーが意識を回復させた事をフィーから聞き、飛んできたのだった。

部屋に入った途端に、セティがティニーに抱きついてしまったので、アーサーとフィーは取り残されてしまったのだ。
「・・・・・・」
アーサーも同じ光景を見ていたが、その表情には複雑な色が入っていた。
「・・・アーサー・・・」
フィーにはアーサーに気持ちがなんとなく分かっていた・・・
(アーサーは・・・寂しいんだろうな。兄としてこの光景を見るのは・・・)
そのアーサーの表情を見て、フィーは気を利かせた。
「アーサー・・・行こう・・・」
フィーはアーサーの手をとって、その部屋から退室していこうとした。
「フィー・・・分かったよ。」
アーサーもフィーの意図が分かったのか、それに従った。


「二人の邪魔・・・しちゃ悪いものね・・・」
廊下に出たフィーとアーサー・・・
フィーは少し俯いてその言葉を出した。
「・・・ああ・・・」
答えたアーサーの声はどこか翳りがあった。
「やっぱり・・・寂しい?」
フィーは彼女らしくなく、あまり張りのない声でアーサーに言った。
「・・・ふっ・・・フィーには隠せないな・・・」
少し自嘲気味な感じでアーサーはフィーに答えた。

(そう・・・俺はセティとティニーが抱き合うのを見て、寂しかった。)
アーサーは幼い頃に生まれたばかりのティニーと離れ離れになった。
彼の脳裏には、母とその母に抱かれた赤ん坊のティニーの姿がくっきりと残っていた。
彼にとって家族と幸せな日々を送れた短い時間・・・
だが、二人はフリージにさらわれ、母の温もりも妹の笑顔も全て失われてしまった。
それから彼は一人で生きていく事を余儀なくされた。
家族の暖かさを感じることなく・・・
(だから・・・妹が生きている事を知ったときは本当に嬉しかった。だから俺は妹と再び出会うために旅にでた・・・)
彼はその旅の途中でフィーと出会い、解放軍に参加し、ついに妹と再会することが出来た。
母は既に他界していたので、アーサーは残った最後の肉親であるティニーの事が本当に愛しかった。
今まで一緒にいれなかった分、ティニーとの時間を取り戻そうと・・・そして母の代わりにティニーを守ろうと決意した。
アーサーは妹と再会してから、これまでずっとティニーを守ってきた。
彼なりの優しさをもって妹を包んできたのだ。
過保護とフィーにどやされる事もあったが、それほどまでにアーサーはティニーの事が大切だった。
でも、彼女にも想う相手ができる・・・
フィーの兄セティだった。
アーサーはティニーに好きな相手ができたことは素直に嬉しかった。
しかし、同時に寂しくもあった。
ティニーにはもう自分がついていてあげる必要はないのかと・・・
アーサーはセティの事を認めていたので、二人を祝福できると頭の中では理解できていた。
しかし・・・今、こうして二人の抱き合う姿を見てしまうと・・・やはり寂しい気持ちが彼を支配してしまうのだ。

フィーはアーサーに気持ちが理解できた。
彼女はアーサーの相棒だから。
今まで、お互いの悩みを相談し合い、励ましあい、信頼関係を結んできた仲なのだから・・・
なにより、相手の事を大切に思っているのだから・・・
だからこそ、迷いと寂しさの中にとり残されているアーサーに出口を教えるのも自分だと・・・フィーは思っていた。

「でもね・・・アーサー・・・あなたはティニーの兄であることには変わらないわ。 これまでも・・・これからも・・・」
「フィー?」
「あなたはティニーの兄じゃない。そのことに変わりはないのよ。これからも兄としてティニーを見守っていくことになるんだから・・・」
フィーは真正面からアーサーを真剣な眼差しで見つめる・・・
「あなたは兄として・・・これからもティニーを助けていけばいいじゃない。ティニーに大切な人ができたとしても・・・兄の存在が変わるのではないのだから・・・」
「フィー・・・そうだな・・・」
(そうだ・・・俺はティニーの兄だ。そのことに変わりはない・・・)
アーサーは今までティニーの一番近くで彼女を守ってきた。
戦いの時には彼女の前に立って盾となり、彼女が思い悩む時は一緒になって悩んであげた。
再会できて・・・まだ、あまり時間は経っていなかったが、それでも兄として、その短い時間、彼女を守ってきたのだ。
その大切な妹を大切に思ってくれて、守ってくれる存在・・・愛し合う存在がが出来たのだった。
だから、これからは自分だけで妹を守ることはない・・・
妹と愛し合う人ができること・・・そして兄である自分にできることをしていけばいい。
これからティニーとセティが共に歩んでいくのなら・・・
自分は、少し離れたところから二人を見守ろう。
それがこれからのアーサーの兄としての役目だった。

「目さめた?」
「・・・ああ・・・ありがとう、フィー・・・」
「何言ってるの? 私達・・・相棒でしょう・・・」
「そうだな・・・相棒だよな・・・俺たち・・・」
(フィー・・・本当にありがとう・・・)
アーサーはいつも喧嘩をしてしまうが、誰よりも自分のことを理解してくれて、自分の事を心配してくれるフィーが自分の傍にいてくれて本当に嬉しかった。
これからの自分にはフィーがついていてくれる。
(俺には・・・フィーがいるんだもんな・・・寂しいなんて言ったらバチがあったってしまうよな。)
目の前の、緑の髪と太陽のような明るい笑顔が特徴的なフィーの顔を、優しい目でアーサーは見つめた。

「・・・行こうか・・・フィー・・・」
アーサーにいつもの笑顔に戻った。
「うん! ティニーとは明日話そう・・・これから、また一緒にいれるんだもん。話す時間はたくさんあるわ・・・」
そんなアーサーにフィーもいつもの笑顔で答えた。
「そうだな・・・うん、仕方ない。今夜ばかりは、あの二人を解放してやるか。フィーの呪縛から・・・」
「私の呪縛って何よ!」
「言葉通り・・・いつもかき回して、ちょっかい出して・・・」
「・・・ア〜〜サ〜〜!」
いつもの調子に戻ったアーサーはフィーをおちょくった。
そんなアーサーに、フィーもいつもの調子で反撃を開始しようとしていた。
「もういっぺん言ってみなさい! 誰が誰を呪縛してるのよ!」
「おお怖い・・・ここは一時撤退を・・・」
アーサーが小走りで廊下を走り去っていく・・・
「待ちなさい! アーサー!」
腕を振り回しながら逃げていくアーサーを追撃していくフィー・・・
アーサーは笑いながら、後ろから追ってくるフィーを時々振り向きながら逃げた。

(フィー、ありがとう・・・ティニー・・・幸せに・・・)




セティとティニーは抱き合った後、お互いに向き合った。
セティはアーサーとフィーが出て行ったこと気づいていたが、それでも今は敢えてそれを止めなかった。
二人の心遣いが分かったから・・・
「ティニー・・・」
最初に口を開いたのはティニーだった。
「はい?」
「ミレトスで君と離れた後の事を教えてくれないか・・・」
セティはミレトス以降ティニーがどうなったのかを知りたかった。
彼女が敵に囚われた後の事・・・そしてどうしてあのような場所にいたのか知りたかった。
「はい・・・」
表情が翳りながらもティニーは頷いた。
そして彼女ははセティと分かれた後の事を話しだした。

しかし・・・彼女にとってそれは辛いことでもあった。
男たちに辱められ、ヒルダに貶められたことも話さなければならないのだ。
少女として・・・自分が犯された事を喋ることなど辛い以外の何者でもないだろう。
(でも・・・私は正直に話す・・・だってセティ様に隠し事はしたくないから・・・)

彼女は素直に話した。
ユリウスに囚われたこと、ヒルダに拷問されたこと、そしてイシュタルに助け出されたこと・・・そして彼女と共にここまで逃げてきた事を・・・
さすがに、イシュタルと特別な行為をしたことは言えなかったが・・・
ティニーがこれまでの説明しているのをセティは少し強ばった表情で聞いていた。
セティにとって、ティニーが敵に拷問され、陵辱されたことなど信じたくなかった。
この自分にとって大切な少女が、犯されたことなど・・・
「ティニー・・・ごめん。」
彼は小さな声でティニーに謝った。
「セティ様?」
「私があの時に君から離れたばっかりに・・・君が囚われて辛い目に遭わせて遭わせてしまった・・・」
ユリウスが相手だった以上、自分でも勝てる見込みはなかったが・・・
それでもティニーを逃がすことぐらいはできたはずだ。
自分がいなかったばかりにティニーは囚われ、ヒルダ達に辱められることになってしまった・・・
そう思って、セティは自分を責めた。
「そんな・・セティ様は悪くありません。あれは・・・」
「いや、私が悪いんだ。君の傍を離れなければ・・・」
ティニーは自分を責め続けるセティの手をしっかりと握った。
「ティニー・・・?」
「確かに・・・とても辛かったです。男の人たちに囲まれて酷い事をされたときには・・・でも、私はイシュタルお姉様に助けられて事なきを得ました。そしてお姉様に守られて・・・そしてセティ様に助けられて・・・今、こうしていられるのです。だから良いではありませんか・・・」
陵辱されたことはティニーにとって苦痛だった、辛いことだった。
あのまま陵辱が突き進んでいたらどうなっていたのか・・・など考えたくもないことだった。
しかし、ティニーは最悪のことになる前に助け出された。
それもイシュタルとセティという、自分にとって大切な人たちが・・・自分を大切に想ってくれる人たちが自分を救ってくれたのだ。
このこと自体はティニーにはとても嬉しかった。
誰かに守ってもらえることが、嬉しかった。


「イシュタル殿か・・・あの方がティニーを助けてくれたんだな・・・」
イシュタルの事はセティもある程度は知っていた。
雷神との異名を持つフリージの王女で、ユリウス皇子の腹心であり愛人・・・
しかし、それだけではなくロプトの行為に従ってはいるものの、つねにそれに反対する姿勢を見せていること事実だった。
「イシュタル殿・・・あの人も不思議な人だ・・・雷神と恐れられていることもあれば、時より見せる優しさも伝えられることもある・・・どちらが彼女の本当の顔なのか・・・」
「・・・どちらも本当の顔です。イシュタルお姉様は誰よりも強くて、勇気があって・・・そして誰よりも優しい人です・・・」
「・・・・・・」

「イシュタルお姉様は・・・本当は戦いなんて求めていません。あの人はユリウス皇子を慕っているだけだから・・今まで戦ってこられたのです。本当は・・・戦いなどできないほど優しいのに・・・」
ティニーの脳裏に幼い頃、共に育ち、共に笑いあったイシュタルの姿・・・そして囚われた自分を助け、守ってくれたイシュタルの姿が浮かび上がる・・・
「そうか・・・」
「セティ様・・・私が助けられた時・・・イシュタルお姉様の姿は見えませんでしたか? 一緒に逃げてきたはずなのですが・・・」
ティニーは共に逃避行を歩き続けたイシュタルの安否が気がかりだった。
自分が助けられた時、イシュタルお姉様の姿はなかったのか?と・・・
「・・・私が君の姿を見つけ、助けたときには他に誰の姿もなかった・・・」
本当は暗黒魔道士たちが現れたが、そのことは敢えて話す必要はないと思った。
「そうですか・・・それじゃ・・・お姉様は・・・もしかしたら」
ティニーにとって最悪の答えが頭の中に浮かび上がってくる・・・
(もしかしたらお姉様は・・・敵の手にかかって・・・)
確証はなかった。
だが、あの状況で・・・あの傷ついた体で敵の中の取り残されたのだ。
その答えが浮かんでしまっても仕方ないだろう。

「イシュタルお姉様は・・・イシュタルお姉様は!!」
ティニーの目に涙が浮かんでくる。
もしかしたら、あのイシュタルが死んでしまったのかもしれないのだ。
胸が押し潰されそうな感覚に襲われる。

「ティニー! まだ、イシュタル殿は死んだと限らない。あまり思い詰めないで・・・」
「でも!あの時お姉様は傷ついていました。あの状態では・・・」
際限なく悪い方に考えが進んでしまうティニー。
それ以上、思考が進まないようにセティは懸命に応対した。
「イシュタル殿の強さはティニーもよく知っているのだろう? 彼女は聖戦士トードの直系でトールハンマーを継承する人だ。そう簡単に負けるはずがない。だから、彼女は生きている。絶対に・・・」
それは無責任に近い発言だったかもしれない。
セティは実際にその場にいたわけではなく、ただ希望的な観測を述べているだけなのだから・・・
だが、今のティニーにはセティが自分をマイナスの方向に思考を進めないように懸命に元気づけているのが、なんとなく分かった。
だからティニーはイシュタルの生存を信じることにした。
セティにあまり心配をかけさせるわけにもいかなかったし、実際イシュタルならあの包囲網を突破できる可能性は十分にあるはずだから・・・
そして何より・・・ティニー自身、イシュタルの生存を信じたかった・・・

「そうですね・・・あのイシュタルお姉様が倒されるはずないですよね・・」
セティに言葉に調子を合わせるティニー。
「そうだ・・・この戦いが一段落ついたら私もイシュタル殿を探そう。だから、今はイシュタル殿の健在を信じよう。」
「はい! 私は信じます。だって私はイシュタルお姉様を失いたくないですから・・・これからもお姉様と一緒にいたいですから・・・」
ティニーはイシュタルの事を信用していたし、大切に思っている・・・
その事をセティは感じ取った。
「ふふ・・・ティニーはイシュタル殿のことが好きなんだな・・・」
「え?」
「イシュタル殿の事を大切に思っているんだな、と思って・・・」
「そうですね・・・いえ、そうです。」
ティニーは頭の中にイシュタルの表情を思い浮かべる。
「私は・・・とてもイシュタルお姉様にお世話になり、慈しんでもらいました。母を失った私を本当の妹のように思ってくださり・・・たくさんの事を教えてもらって、色々なところに連れて行ってもらったりもしました。そして今回、虜囚になった私を救い出してくださりました。本当に・・・感謝してもしきれません。」
「そうか・・」
イシュタルがティニーを大切にしていた・・・
セティは、ティニーが先ほど言っていたイシュタルの奥底のある優しさというものが、少しだが分かった様な気がした
「・・・イシュタルお姉様は本当に優しく、そして力強く私を包んでくださいました。私にたくさんの愛をくださいました。」
「・・・本当にイシュタル殿はティニーの事を大切にしていたんだね。」
「・・・はい!」
今のティニーには自信をもってそう言えた。

「でもね・・・」
セティはティニーに微笑みの表情を見せながら言った。

「私もティニーの事をとても大切に思っているんだよ。」
「えっ!?・・・セティ・・・さま・・・?」

ティニーはその言葉に顔を赤らめた。
セティも自分で言って恥ずかしかったのか、顔を赤くしてしまった。
(何をしてるんだ!?セティ・・・言うんじゃなかったのか? 彼女が意識を取り戻したら言うと・・・大切な事を・・・)
彼はドズル城に帰還して、ティニーの回復を待っている間、ずっと心に決めていたことがあったのだ。
(ティニーがいなくなってしまってから後悔したから・・・だから彼女が帰ってきてから言おうとした事があっただろう!?)
彼女がユリウスにさらわれてから、後悔したこと・・・
さらわれて、もしものことがあった時に永遠に伝える事ができなくなってしまうかもしれなかったこと・・・
それは自分の本当の気持ちを彼女に伝えることだった。

(言うんだセティ! これからも戦いは続く・・・私も、その戦いでもしかしたら命を落とすかもしれない。そうなってからでは手遅れなんだぞ!後悔するかもしれないぞ!)
自分で自分を叱咤するセティ。
そして、彼は自分の勇気を全て総動員して、その言葉を伝えようとした。

セティはティニーの肩を手をおいて、彼女の目をしっかりと見つめた。
「ティニー!」
「は、はい・・・」
セティの思い詰めたような表情に、ティニーは少し驚いていた。
しかし、その次に出された言葉は、さらにティニーに衝撃を与えることになる・・・


「私は・・・君が好きだ・・・ティニー。」

「!?」

ティニーは一瞬、耳を疑った。
頭の中が真っ白になり、彼の言った言葉の意味が理解できなかった。

「セティ様・・・今なんて?」
彼女はもう一度、セティが言った言葉を尋ねる。

「私はティニーが好きなんだ。」
一度、告白して勇気がついたのか、彼女にもう一度自分の想いを伝える。
「セティ様・・・そんな・・・」
彼女はもう一度告白され、初めてセティの言った意味を理解できた。

(セティ様が、私を好きだと・・・)
セティが自分の事を好きだと・・・はっきりと言葉に出して伝えてくれたのだ。
(夢じゃないの?・・・これは・・・)
今まで、ティニーは自分がセティに告白する夢を何度も見てきた。
それは自分がセティの事を好きだったから・・・
彼に自分の想いを伝えたかったから・・・
でも、今まで言い出す勇気がなかった。
彼に告白できなかったのだ。
(私はセティ様の事が好き・・でも、言えなかった。)
控えめな性格のティニーにとって、想いを告白するだけの勇気をもつことができなかったのだ。
だから、今まで想いを伝えずにきてしまった。
それが逆にセティから想いを伝えられるとは・・・
いや、前からセティが自分を守り、優しくしてくれたことは分かっていた。
互いの気持ちを知っていたつもりだった。
だが、勇気がなかったため・・・今まで言葉に出せなかっただけなのだ。
でも、セティは勇気を出して告白してくれた・・・


告白したセティは言葉を続ける・・・
「・・・私は、ずっと君が好きだった。恐らく初めて会った時・・・そうマンスターで出会ってからずっと・・・それから君と共にいるうちに、その想いは大きくなっていった。君を愛するようになったんだ。」
ティニーの胸は今までにないほど高鳴っていた。
あまりの高鳴りに、どこかに飛んでいってしまいそうぐらいに・・・

「本当はこの気持ち・・・もっと早く伝えるべきだったのかもしれない。いや、伝えるべきだったんだ。・・・でも私にはその勇気が出なかった。臆病だったんだ。・・・でも、君が囚われて・・・君がいなくなってしまってから気づいて・・・後悔したんだ。なぜ伝えなかったんだ、と・・・もしかしたら、もう君に自分の気持ちを伝えられないかもしれなかったから。そのことに君がいなくなってしまってから気づくなんて・・・本当に馬鹿な男なんだ、私は・・・」
「セティ様・・・」
「・・・これからの戦いで、もしかしたら私も命を落とすかもしれない。だから、君が好きな事を・・・今、伝えたかった。」
「そ、そんな・・・セティ様! 不吉なことなど言わないでください。」
自分が命を落とすなどと言ったセティにティニーは声を荒上げた。
「でも、これから戦いはさらに激しくなる。もしもの時の事があるかもしれない。だから、今・・・」
「いやです!!」
ティニーは渾身の力でその言葉を出した。
「? ティニー・・・」
「いやです。死ぬかもしれないだなんて事・・・言わないでください! 私・・・好きな人が死ぬだなんてこと考えたくなんかないです!」
「テ、ティニー!・・・」
ティニーの言葉にあったある言葉にセティはビクッしてしまう。
ティニーも思わずその言葉を口走ってしまったことに気づいたようだ。
しばらく俯いた後、ティニーは決意した。
自分も気持ちを伝えようと・・・

「・・・私もセティ様の事が・・・好きです。」
静かだが、しかしハッキリと伝えた。

「ティニー・・・」
ティニーの告白に、今度はセティが固まってしまった。
ティニーに告白されて、頭の中が真っ白になってしまったのだ。

「私もセティ様の事が好きです。愛しています・・・あなたと初めて出会った頃から、ずっと・・・」
ゆっくりと言葉を紡ぎながら・・・ティニーは今までのセティとの思い出が蘇ってくる。
「初めて出会ったとき、セティ様にとても眩しいものを感じました。勇気と優しさを持った貴方はとても輝いていました。そんなセティ様と知り合って、色々な話を聞いて貰い、色々な事を教えてもらう内に・・・私はセティ様に惹かれていきました。本当はもっとずっと前にセティ様にこの感情を抱いていました。でも、私にはそれを告白する勇気はなかった。でも・・」
ティニーの目から涙が溢れ出してきた・・・
感情が溢れ出そうとしていた。
「ユリウス殿下に囚われ、ヒルダたちに拷問されている時・・・私は死を覚悟しました。そして・・・セティ様に自分の気持ちを伝えることができなかった事を後悔しました。・・・どうして・・・セティ様に気持ちを伝えられなかったのか? どうして・・・もっと早く、勇気を出せなかったのか・・・」
「ティニー・・・」
「でも! 私はイシュタルお姉様に助けていただいて、守ってもらい・・・また、こうしてセティ様と会うことができました。そして好きと言って貰えました。本当に嬉しかった・・・だから、私もセティ様に伝えます。自分の気持ちを・・・」
「そうだったのか・・・ティニー、君も私の事を・・・」
自分達の気持ちが一緒だったことに気づくセティ・・・
いや、本当はもっと前から分かっていたのかもしれない。
自分達が愛し合っていたことに・・・

「だから、死ぬだなんて言わないでください。私は、これからもセティ様とずっと一緒にいたい。ずっと好き合っていたいから・・・だから・・・死ぬだなんて・・・」
大粒の涙がティニーの頬を流れていく。
「ティルテュお母様や、イシュトーお兄様、そしてイシュタルお姉様・・・私が好きだった人たちは消えていってしまいました・・・私はもういやです! 自分の大好きな人が私の前から消えていってしまうことなんて・・・」
もう、これ以上・・・ティニーは失いたくなかったのだ。
大好きな人たちを・・・自分を大切に思ってくれる人達を・・・
「だから、セティ様は私の前から消えないでください。お願いです! 私・・・強くなりますから・・・セティ様をお助けできる力を手に入れてるために、もっと強くなりますから・・・だから・・・死なないでください、絶対に。」
ティニーはそう言って、セティに再び抱きついた。
その胸元に顔を埋めながら・・・泣いている。

「もう・・・失いたくないから・・・私・・・」
ティニーの切ない気持ちをセティは知った。
愛しい人と一緒にいたいティニーの思いを・・・
(セティ・・・そこまで私の事を・・・)
ここまでティニーに想って貰える自分・・・
これほどティニ―を愛する自分・・・
セティは本当にこの少女が愛しかった。
だから、彼は決意した。
(必ずティニーと・・・幸せになる。)

「ティニー・・・顔を上げて・・・私の目を見てくれ。」
セティの言葉にティニーは顔をゆっくりと上げた。
本当は涙で崩れた顔をセティには見せたくなかったのだが・・・

お互いに見つめあう二人・・・
ティニーの涙に濡れた顔を見ながら、セティは宣言する。
「分かった、ティニー・・・私は約束する。私は死なない。君を悲しませないために・・・これからの未来を君と一緒に歩くために・・・私はこの戦いを絶対に生き残る。約束するよ。」
「セティ様・・」
「私は死なないよ。やっと大好きなティニーと心が通じ合ったんだ。死ぬわけにはいかない。これからも私は・・・ティニーと一緒にいたいのだから・・・」
「セティ様・・・わ、私もです! ずっとセティ様の傍にいたいです! いや、います。離れたくなんかない!」
二人は目の前で自分を見つめてくれる人が本当に愛しかった。
自分の事を好きと言ってくれる人の事が・・・

「ティニー・・・」
「セティ様・・・」
相手の名を呼び合う二人。
どちらかともなく、二人は目をつぶった。
そしてセティはティニーの肩においた手を引き寄せていった。
それに伴って、ティニーの顔がセティに接近していく・・・

「愛しているよ。」
「私も・・・です」
目をつぶった二人は相手の事を想い、その気持ちを伝えながら・・・

唇を合わせあったのだった・・・




「あっ・・・」
セティはキスをしたまま、上半身を起こしていたティニーをゆっくりとベットに寝かせた。
暖かい口づけを離し、セティは小さな声を出した。
「ティニー・・・君が好きだ。・・・だから・・・」
セティの言いたい事・・・望みが分かったティニー。
彼女にはそれを拒む理由はなかった。
「いいですよ・・・セティ様・・・」
寝かされた彼女は承諾の応えを返して、体の力を全て抜いてセティに対して無防備な姿を晒した。
それは、自分の体にセティが何をしてもいいというティニーのサインだった。
「本当に・・・いいのかい?」
恐る恐るセティはティニーに尋ねた。
しかし、ティニーは拒む理由などなかった。
いや、早く愛してもらいたかった。
敵に囚われ、貞操の危機に陥った時・・・
ティニーはセティに純潔を捧げる事ができないと悲しんだ。
でも、今こうしてセティと想いを伝え合うことができた・・・
だから、この守られた純潔をセティに捧げたかったのだ。
大切な少女の証をセティに・・・

「・・・セティ様の思う通りにしてください。」
彼女は目をつぶって、セティの行動を待つことにした。
「ティニー・・・」
彼はティニーの決意をセティは感じ取り、彼女を愛し始める。

彼女の下半身を覆っていた毛布を畳んだ。
寝間着姿のティニーの全身が露になる。
浴衣状の寝間着姿のティニーは清潔感とともに悩ましいものがあり、セティは自分が赤くなっていくことが分かった。

セティは自分の両手を寝間着の腰紐に持っていった。
そして結ばれている紐を解きにかかる。
ティニーの顔が少しずつだが上気してきた。
恥ずかしさを感じているみたいだった。

スルッ・・・と腰紐を解く。
生唾を飲み込み、興奮を抑えながら・・・セティはゆっくりと寝間着を開いていった。
ゆっくりと露出してくる彼女の裸身・・・
胸やお臍・・・そして彼女の秘部を覆うショーツが露になる。
一段とティニーの顔が赤みを帯びた。
そしてセティは手の先から寝間着を抜き去り、ついに彼女の全身がセティの目の前に現れた。
開かれた寝間着の上で裸身を晒すティニーを見て。セティは痛いほど動悸が早くなっていた。
(綺麗だ・・・綺麗すぎる。)
彼女の胸は年頃の女の子のものとしては普通の大きさであろう。
むしろ、その形の良さに心奪われる。
寝た姿勢であるものの、しっかりと形を保ち、まったく垂れていなかった。
また、その頂にある乳首は綺麗なピンク色をしていた。
セティの視線は他の部分にも注がれていった。
白い肌、引き締まった細いウエスト、スラッとした綺麗な手足、大人の雰囲気を醸し出すうなじ・・・そして彼女の大切な部分を守る純白のショーツ・・・
この時点で、すでに二人の顔は燃え上がるように赤くなっていた。
ティニーは自分の全てを曝け出しているため・・・
セティはじめて見るティニーの裸体のために・・・
そして、これから始まる愛のひとときを想像し、二人は顔を赤くしていた。

「ティニー・・・とても綺麗だ。」
「ほ、本当ですか?」
「本当だよ。」
その言葉を合図として、セティはティニーの体にかかり始めた。

ティニーの胸を見つめ、その膨らみに手を伸ばしていく・・・
そして・・・胸に手が触れたとき・・・
「・・・!?」
その瞬間、彼女の体がピクッ!と反応し、今まで目を閉じられていた彼女の目が開かれた。
好きな男性に自分の胸を触られ、ティニーは反応してしまったのだ。
セティは自分の手の中に納まったティニーの膨らみの柔らかさを感じる。
(女性の胸って・・・こんなに柔らかいのか・・・)
柔らかく、そして弾力のあるティニーの乳房・・・
セティは少しずつ、手の指に力を入れていき、胸に指が食い込んでいった。
そして、ゆっくりと揉みしだきはじめた。
「!・・・あぁ・・・はあ・・・」
ティニーが胸を揉まれると同時に切なそうに声を上げる。
その声にセティは気を良くしたのか、セティは胸への愛撫を続けていく・・・
胸にかける力を強めて、胸の形をいびつに変形させていく。
その度にティニーの口から甘い言葉が紡ぎ出される・・・
あまり、苦痛みたいなものは感じていないみたいだ。
セティは両手でゆっくりと胸を愛していった。
そして、しばらくそれを続けては、左の乳房に舌を這わせた。
「あっ・・・はああぁぁ!」
まずは全体的に舌を周回させていき、徐々にその頂きへと近づいていく。
そして、その位置まで舌が来たら、その場所を舌で責めはじめた。
舌を使って舐め上げたりしながら、口内で舌を使って転がしてみたりする。
「あはぁ!あっ・・・うは・・・」
可愛い声を上げて、ティニーは反応してくれる。
それに気を良くしたのか、セティはさらに手と口唇の動きを早くしていく・・・
さらにティニーの声は大きくなっていった。
「・・・い・・・あぁん! はあぁぁぁ・・・っは・・・」
ついに、今まで、あまり動きを見せていなかったティニーの体が波打つように動いた。
与えられる刺激のよって、体が反射的に動きはじめた。
くねらすような感じで体を捩ってしまうティニー。
しかし、セティの手が彼女の双丘をしっかりと手の中に納めて押さえている為、彼女がセティから身を逸らしてしまうことはないが・・・
甘い声を上げながらティニーの体が震える。
好きな人に愛されることによって、ティニーの体はこれ以上ないほど感じやすくなっていた。
セティは一旦、彼女の胸から口を解放した。
今まで、手と口によって愛撫されていた左胸は、セティの唾液によっててらてらと妖しく光り・・・乳首は隆起していた。
セティはもう一方の乳房に取り掛かる。
今度はすこし乱暴・・・というよりも荒々しく愛撫を始めた。
セティはティニーがどれほど感じてくれるのか興味があったから・・・
「ああぁぁ・・・セ、セティ様! そんな・・・あひっ!」
少し強い力でティニーの胸を揉み、そしてジュルジュルと音を立てて乳首を嘗め回し、吸い上げる。
セティは段々自分の頭の中が白くなっていくのを感じた。
ティニーを前にして何も考えられなくなっていった。
貪るようティニーの胸を責め、時には甘く乳首を噛んだ。
「あぁ!・・・ダメです!」
痛みにも似た激しい刺激に、ティニーは一際大きな声を上げた。
しかし、セティはそれに構わず、ティニーの胸を愛し続けた・・・

しばらく、それを続けていたセティは頭を徐々にティニーの首の方に持っていった。
首を伝って顔まで登り、口でティニーの唇を覆った。
今度はただ合わせるだけではなく、舌を差し入れて彼女の口内を味わう。
「う・・・うん!・・・ううっ!」
思わず舌を入れられてティニーは驚き、そしてくぐもった声を上げる。
セティは口内を味わうと共に、両手でティニーの双丘を揉みまわし続けた。
舌はティニーの歯肉を舐め、そして奥に隠れている彼女の舌を求める。
ティニーは抵抗がなかった訳ではなかったが、セティが求めるのに応じて舌を差し出した。
彼の舌は求めていた物に出会い、喜んで彼女の舌に己を絡ませた。
僅かにピチャ、という水音を上げながら、二人の舌は絡み合った、
しばらく・・・その行為が続いた。

「・・・はっ!・・・」
セティはティニーの口唇を解放した。
お互い口の周りが唾液でべったりと濡れていた。
まるで、赤子のように・・・
セティの唇は再び下がり始めた。
頬から首へと舌で愛撫しながら降りていく。
その途中でティニーのうなじまで下がった時だった・・・
「・・・きゃんっ!」
いきなりティニーが甲高い声を上げた。
セティはその声に驚いたが、それが自分の舌がティニーのうなじをなぞったためだと分かった。
(ティニーは・・・ここが感じるのかな?)
セティは舌を何度も這わせた。
その度にティニーは・・・
「はああぁっ!・・・あんっ・・・ああ!」
異常な快感がティニーを襲う。
ここを責められると弱いことはティニー自身よくは知っていたが、だからと言って喘ぎを抑えられるわけではなかった。
何度も何度もセティの舌が往復をする。
そして胸も愛撫し続ける。
ただ、揉みまわすだけでは芸がないと考えたのか・・・セティは乳首を軽くつねってみたり、摘み上げてみたりした。
そして、彼女のうなじにキスをしたり、吸いたててみたりした。
「つぅ!・・・あああぁっ!・・・」
彼女の甘く切ない声が部屋に響きわたっている。


「ティニー・・・感じてくれている?」
しばらく愛撫を続けた後、セティは顔を上げて尋ねた。
呼吸を荒げ、目に涙が溜まっていたティニーは答えた。
「・・・ごめんなさい・・・私、感じすぎてしまって・・・」
彼女は恥ずかしそうにうつむいてしまう。
好きな人の前で・・・ここまで恥ずかしい声を出してしまうだなんて・・・
「こんなに声を上げてしまって・・・私、はしたないですよね・・・」
「・・・はしたなくなってもいいよ・・・」
「えっ?」
セティの言葉にティニーは彼の目を見つめた。
セティは微笑みながら、彼女に語りかける。
「いくらでも・・・私の前でははしたなくなって欲しい。  いくらでも可愛い声を出しても、いくらでも快感を求めても構わない・・・だって、それは私を感じてくれているということだから・・・」
「セティ様・・・」
彼女の柔らかい髪の毛のなかに顔を埋めるセティ・・・
彼女の女性的な香りを感じながら、セティは喋る。
「でも、絶対、その姿は他の人に晒さないで欲しい・・・私の前でだけにして欲しい・・・私とこうして肌と肌を合わしているときだけは、どんなにはしたなくなってもいいから・・・私は君だけしか見ないから・・・だから、その顔を他の人に見せないでくれ。」
「・・・はい・・・セティ様・・・」
もとより、ティニーはそのつもりだった。
彼女はセティに独占される事を望んでいた。
彼以外の男に、自分のこの姿を晒したくはなかった。
大切なセティにのみ愛されたかった。

「ティニー・・・だから、僕の前では、はしたなくも、いやらしくにもなっていいよ。私はもっと君を感じさせたい・・・愛したいから・・・」
「セティ様・・・私も・・・あなたにもっと愛されたい・・・私を感じて欲しい。」
「ティニー・・・」
「あなたじゃなきゃ嫌だから・・・あなたに愛されたいから・・・だから、私をあなただけのものにしてください・・・」
その願いに、セティは黙って首を縦に振った。
彼はティニーを自分のものにしたかった。
それをティニーも望んでくれている。
他の誰にも渡さない。
彼女は大切な人だから・・・
必ず彼女を守り、そして彼女のために生きようと誓ったのだから・・・
必ずこの少女と一緒になりたかったから・・・
(ティニ―・・・誰よりも君の事が好きだ。だから・・・私だけのティニーでいて欲しい・・・)




「あああぁ!・・・ううっ・・・はあ!」
激しくティニーが喘ぐ。
セティは彼女の足を限界まで開き、その今までの愛撫で濡れそぼっていた部分に顔を埋めていた。
既に、彼女の下着は取り払われ、ベットの横に落ちていた。
彼女は生まれたばかりの姿になり、セティの愛撫を受け入れていた。

セティの指と舌がティニーを愛撫する。
セティの人差し指がティニーの大切な場所に挿入されていた。
そして、ゆっくりと円を掻くように掻き回していく・・・
セティは知らなかったが、この場所はヒルダやイシュタルによって弄られてはいた。
しかし、いまだ彼女のその部分は狭く、侵入者を拒んでいた。
セティは優しくゆっくりと掻き回して、慣らしていく。
ティニーにこれからの行為の時にできるだけ痛みを与えないために・・・

舌はティニーのクリトリスを責めていた。
既に、彼女のそれは与えられる快感に勃起をしており、剥き出しの姿を晒していた。
その剥き出しになって敏感になった果実を容赦なく舐め上げた。
「・・・はあぁっ!・・・うん・・かはっ!・・・」
電流のような刺激がティニーに波の様に押し寄せる。

舌と指の動く度に、ティニーの体が激しく震える。
その二つが動けば彼女に激しい刺激が走り、さらに彼女の秘所から愛液が流れ出す。
そして、流れ出した愛液が指の動きを滑らかにし、さらなる快感を引き起こさせる。
「あああぁぁぁ!・・・ううん・・・んううあぁ!」
甘い声が止めどなくティニーの口から発せられる。

セティは人差し指に抵抗がなくなってきたのを感じると、中指を足した。
二本の指で彼女の秘所を責める。
「ひぐぅ!・・・んん!」
少し痛みを感じたらしく、小さな悲鳴をあげた。
それでも少し動かしていると抵抗が徐々に和らぎ、二本の指を受け入れ始めた。
二本の指を挿入され、行き場を無くした愛液が多く流れ出す。
それは彼女の太股、セティの顔、シーツや彼女の菊を湿らせた。
愛液から生み出される女の香りをセティは嗅ぎ、その淫猥な香りにどんどん頭の中が朦朧としてきた。
セティはさらにティニーを感じさせようとした。
指の動きを円運動からピストン運動に切り替えた。
優しいが、少し強い力で彼女の中に挿しいれる。
生暖かく、ヌルヌルしている箇所に指を挿し入れたセティは、その不思議な触感にさらに興奮する。
「あっ!・・・あんっ!・・・あはあぁ!」
指が打ち込まれるたびに、彼女は突き上げられて、短いが大きな声で喘ぐ。
同時にクリトリスを口に含み唇で挟み、擦るように動かした。
「あひっ! あああぁぁ!・・・やああぁぁっ!」
彼女は快感の渦の中に飲み込まれていく・・・
そのため彼女はすでに理性が遠のきかけていた。
それでも生来のものなのか、恥じらいの態度は常に表面にでていた。
「ダメ・・・ああ! 私・・・こんなに・・・んっ・・・」
はしたなくなっても良いと先ほどセティは言った。
しかし、彼女は完全に快楽に身を溺れさせることはしなかった。
理性ではない・・・彼女は潜在的に恥じらいの感情を持ってしまっているのだ。
だから、どこかで抑えようとしてしまう。
セティはそれでも良かった。
その純粋な純真さこそが・・・彼女の魅力と思ったから・・・

(でも・・・私はもっと君を感じさせてあげたい。もっと乱れて欲しい。)
決して悪意ではなかった。悪戯でもなかった。
ただ、彼女に自分の愛撫によって快感をもっと感じて欲しかったから・・・
彼女を自分だけのものにしたかったから・・・


さらに舌が・・・さらに指の動きが激しくなった。
ティニーの秘部をむしゃぶりつくように責め立てる。
指をズンズン、と挿入させ、クリトリスに軽く歯を立てる。
「・・・いっ!・・・んんっ! はああぁぁっ!」
彼女は身をくねらせ、それに責めに悶える。
「セティ様!・・・はげし・・・すぎます!ああっ! 私・・・おかしくなっちゃいます!」
「おかしくなっても良いよ・・・さっき言ったよ。いくらでもはしたなく・・・いやらしくなっても構わないと・・・」
セティは言葉を続ける間にも、さらに指の動きを早くした。
挿入のたびに愛液が飛び散る。
セティの手も彼女の体液でベトベトになっていた。
「こんなに濡らして・・・こんなに感じてくれて嬉しいよ・・・ティニー・・」
「はああ!・・・私・・・恥ずかしくて・・・」
「良いんだよ、それで・・・もっと感じて・・・もっと可愛い声を出して・・・」
セティは左手を胸に伸ばして、再び胸を揉みまわす。
指を今までで一番深いところまで入れて、そこで交互に動かし、彼女の中で暴れさせた。
クリトリスを音を立てて吸い上げる。
「い、いいっ!・・・私・・・熱い! ああ・・・感じちゃう!」
ティニーの声はどんどん高くなっていく・・・
それに比例するように彼女の震えも止まらなくなっていた。

セティはティニーの中で指を折り曲げ、膣壁の上側を擦った時だった
「あああああぁぁぁぁぁっ!!」
ひときわ大きな嬌声を上げ、ティニーの体がビクン!と震えた。
彼女の体が弓なりの仰け反り、愛液が今までになく多く溢れ出した。
彼女は昇り詰めたのだった・・・


「はあ・・・はあ・・・」
彼女は息を大きく吸っていた。
いまだに、彼女の体はピクッ・・・と僅かに痙攣していた。
閉じられた目からは、涙が流れていた・・・

「ティニー・・・気持ち良かったの?」
彼女が感極まったのを見たセティは、一旦愛撫を止めた。
セティは顔を上げ、ティニーの顔を覗き込む。
彼女の顔は真っ赤になっており、視線は焦点を失ったように彷徨っていた。
「ティニー・・・大丈夫?」
あまりに呆けた表情を見せていたので、セティは少し心配になってしまった。
「・・・は、はい・・・大丈夫です。」
彼女はセティに見つめられ、我に帰るティニー。
「ごめんなさい・・・私・・・一人で感じてしまって・・・」
ティニーは自分だけが絶頂に昇ったことが恥ずかしかった。
これだけ愛されてしまったのだから仕方がないが・・・

「いいよ・・・ティニーが感じてくれて・・・悦んでくれて嬉しいよ・・・」
ティニーの髪を優しく撫でながら耳元で囁くセティ・・・
「セティ様・・・」
「・・・ティニー・・・」
セティは彼女の目の前に顔を持ってくる。
そして、彼女にキスをした後、尋ねた。

「ティニー・・・いいかい?」
セティはティニーに了解を求めた。
それが何を求めてのことか・・・ティニーには分かった。

・・・コクン

彼女は黙って首を縦に振った。
そして全身の力を抜いて、目をつぶって息を整える。
セティを受け入れるために・・・

セティも裸になった。
そして彼女の足を広げ、その中に体を入れる。
自分の物を持ち、彼女の花に当てる。
「・・・ティニー・・・いくよ・・・」
「はい・・・セティ様・・・」
ティニーが僅かに震えているのが分かった。
「・・・怖い?」
セティは子供に優しく語りかけるように聞いた。
「・・・少しだけです。・・・」
ティニーは目を開いてセティを見つめた。
「怖いんです。やっぱり・・・私って勇気がないから・・・」
セティは彼女を抱きしめて呟く。
「ティニー・・・最初は皆怖いのだと思う。私だってそうだ。少し言い知れぬ怖さがあるんだ、やっぱり・・・でも、それでも君を愛したい。君とこうすることによって君を愛し、守る力を・・・勇気を手に入れたいんだ。」
「セティ様・・・」
「・・・ティニー・・・私に勇気をくれ。君を愛することによって・・・」
ティニーはコクッ、と頷く。
「はい、私を愛してください。そして・・・私にも勇気をください。あなたを愛していくだけの勇気を・・・」
ティニーも同じ気持ちだった。
(ここまで・・・想いが繋がるなんて・・・思ってもいなかった。)
ティニーはここまで二人の気持ちが一緒になれることを幸せに思っていた。
二人はもう一度、熱いキスを交わした・・・



「うっ・・・かはあぁぁぁっ!」
彼女の中に侵入していくセティ・・・
ゆっくりと・・・彼女の中を進んでいくセティの欲望・・・
そして、ついに彼女の少女の証の前まできた。
「ティニー・・・力を抜いて。いくよ・・・」
「はい・・・セティ様・・・」
彼は一旦、腰を引いた。
そして、彼女の中に勢いをつけて挿入した。

・・・ズン!
「はあぁ・・・はああああぁぁぁぁっ!!」
彼女の声が部屋中に響き渡った。
それは、彼女が純潔をセティに捧げた瞬間だった。

「ひぐっ・・ひゃあああぁぁっ!」
自分のなかに入り込んでくる楔にティニーの秘所は悲鳴を上げた。
いくら愛液と唾液で湿らせていたとは言え、初めて男のものを受け入れたのである。
破瓜の痛みが彼女を襲う。
押し込まれたセティのものに追い出されるかのように愛液と彼女の鮮血が流れ出す。
その光景を見たセティは、自分がティニーの処女を奪ったことを改めて実感し・・・
ティニーは痛みの中でセティとやっと結ばれた事を実感した。

ティニ―の中はあまりに狭かった。
彼のものをギチギチと締め上げる。
ティニーは我慢しようとしているが、その顔には苦痛の色と汗が充満していた。
セティはこのまま動かすのに抵抗を覚え、まず彼女の秘所が慣れるまで動きを控えることにした。
「セティ様・・・うごい・・・て・・・ください。」
セティが挿入したまま動かないことに気づいたティニーはセティに言った。
彼女は早くセティに自分を使って気持ち良くなってもらいたかったのだ。
そんなティニーにセティははやる気持ちを抑えて囁く。
「ティニー・・・無理をしてはいけないよ。すこしこのままでいるから・・・慣れるまで無理には動かさないから・・・」
そう言って、彼はティニーの顔に近づけてティニーの口に舌を挿し入れた。
右手は彼女の左胸に当てられ、揉みまわす。
すこしでも・・・こちらの快感で痛みが紛らわすことができれば・・・と考えたのだ。
「うっ・・・う・・・ふっ・・・」
セティの愛撫にティニーは口を塞がれながらも、喘ぎを上げた。
しかし、いまだ股間から響く痛みが、彼女の額に汗を浮かび上がらせていた。
そんな苦痛と快感の狭間でティニーは翻弄さていた。

しかし、セティが優しく彼女を愛撫していた結果が現れはじめたのか・・・
彼女の表情から徐々に痛みの色が消えていき、与えられる快感によって彼女の体が弛緩していった。
「ふう・・・うん・・・ふうあぁぁっ!」
彼女の口は開放され、艶の入った声が発せられた。
挿し込まれたセティのものに対する抵抗も和らいでいった。
その様子を見て取ったセティはゆっくりと動きはじめた。

少し引き抜かれた後に再び挿入されるセティのモノ・・・
「ああっ!・・・はっ・・・はあ!・・・」
いまだ苦痛は少しあるみたいだが、それでもそれを上回る疼きが彼女に染み渡っていく・・・
セティは何度も何度も彼女の中に挿入を繰り返す。
その度に彼女の体は弾み。可愛い喘ぎがセティの耳に入ってきた。
ティニーが刺激に悶える姿に・・・その可愛い声に・・・ティニーの秘所の心地よさに・・・
セティは燃え上がっていった。
(ティニー・・・可愛い・・綺麗だ・・・それに君のここ・・・暖かくて・・・きつくて・・・でも、優しく私の物を包んでくれる。・・・こんなに気持ちいいんだ・・・女の子のこの部分は・・・)
今まで、ティニーの気遣って、動かしたい衝動を抑えてきた反動だろう。
次第にセティは更なる快感を求めて、さらに動きを激しくしていった。
彼女の体はその動きに激しく揺れ、彼女の胸が上下に揺れる。
「い、・・・あああぁっ!・・・はっ・・・あううぅぅ・・・」
セティの激しい突きに、ティニーは性感だけではなく、引きかけていた苦痛も感じていた。
いくら十分に湿らし、いくらか慣れてきたとは言え・・・まだ、ほんの前まで男を知らない処女であったのだ。
セティの激しい動きを、全て快感に変換することなどできなかった。
しかし、彼女は悲鳴を上げなかった。
(セティ様が私を感じてくれている・・・私の体で気持ち良くなってくださっている。それなのに・・・私のためにそれを邪魔するわけにはいかない・・・)
さっきは自分を気遣ってセティは動かす事を我慢してくれたのだ。
今度は自分が我慢をする番だ・・・
自分の痛みを隠し、セティの思うがままにされるティニー。
全てはセティに気持ち良くなってほしかったから・・・
彼の事を全て受け入れたかったから・・・

セティとティニーの接合部からジュブ・・・ヌチャ・・・といった湿った音が鳴り響く。
セティのモノがティニーの中を蹂躙し、愛していく・・・
ズンズンとティニーの秘所に挿入され、セティに極上の快感を・・・
ティニーには快感とも苦痛ともとれる刺激を与えていく。

「はあ!・・・はあ!・・・ティニー!」
セティはティニーのなかに打ち込み続けながら、その中の感触に酔いしれていた。
うわ言のようにティニーの名を呼び続ける。
セティの右手が前に出され、しばらく宙を彷徨っていると、彼女の胸を鷲掴みにした。
そして、手の平で激しく嬲る。
彼女の胸がいびつに変形する。
「ああぁぁっ! はあぁぁぁ!・・・あんっ!・・・うはああぁぁぁ!」
あまりの刺激の渦に飲み込まれていくティニー。
口からははしたなく涎を流していた。
普段のティニーならそのままにはしておかないが、今はもう・・・自分が涎を流していることすら分からないのだろう。
二人は互いに目を閉じ、合わさっている部分から押し寄せる刺激にだけを感じていた。
もう・・・回りは見えていなかった。
ただ、脳髄に突き刺さるような刺激だけが二人を支配していた。

「セティ・・・さま・・・ああっ!・・・私・・・おかしくなりそうですぅ!!」
「ティニー!・・・私は・・・私は!!」
二人の中で何かが大きくなっていく・・・
そのため、セティは自然に動きをさらに速くしていってしまう。
ティニーのセティを包む女性の部分は、彼のものを締め付けるように収縮していく。
「あああああぁぁ!・・・んんああああ!!・・・うわあああああ・・・」
「はあ!・・・は・・・うっ!・・・」
二人の息遣いが激しくなっていく・・・
セティの動きが・・ティニーの震えが・・・
最高潮に達しようとしていた。
限界がそこまできていたのだ。

「セティ様!!あああっ!・・・私・・・もう・・・イッテしまいますぅ!!」
「ティニー・・・うっ・・・で、でる!」
ティニーの中で絡みつくセティのモノに急速に射精感がこみ上がってくる。
彼女の膣の収縮もより強くなる。
これからの絶頂の前触れとして・・・

そして・・・
「ティニー・・・うううっ!」
一番深いところまで差し入れられたセティのモノがビク!と震え・・・白濁した欲望を吐き出した。
ティニーはそのセティの欲望が自分の中に叩きつけられるのを感じながら・・・

「あっ!?・・・ああああぁぁぁぁぁぁっっっ・・・!!!」

ティニーは愛する男とともに絶頂に昇り詰めたのだった。






「ごめん・・・ティニー・・・」
二人は互いに向き合いながら・・・ベットで寝そべっていた。
セティはすぐ目の前にある彼女の顔を眺めながら言った。
「?・・・なにがですか?」
初めての性交を終え、気だるい感覚に身を委ねていたティニーはセティの言った意味が瞬時には分からなかった。
「初めてなのに・・・あんなに激しくしてしまって・・・」
欲望を放ち、頭の中が鮮明になっていった時・・・セティは彼女との行為を振り返った。
そして、自分がどれだけ彼女を乱暴にしてしまったのかも・・・
「最初は・・・君にできるだけ優しくしようとしたんだ。でも・・・どんどん抑えられなくなってしまって・・・ごめん・・・」
しゅんとしてしまうセティ・・・
彼には、はじめてのティニーの感触に我を忘れてしまった事が恥ずかしかったのだ。
そして・・・それに任せてティニーを手荒く扱ってしまったことも・・・

「・・・セティ様・・・」
彼女はしゅんとしているセティの手をとって話し掛けた。
そして、できる限りの笑顔で・・・
「本当に・・・ありがとうございました。」
礼を言ったのだった。
「ティニー?」
「私の純潔を受け取ってもらえて・・・そして、素敵な経験をさせてもらってありがとうございます。」
そう言いながら、彼女はさらに顔をセティに近づけた。
「これだけ・・・愛してもらえるなんて・・・私、本当にうれしいです。たしかに、少し痛かったですけど・・・でも、それは・・・セティ様が私を力強く愛してくれたことだから・・・私に夢中になってくれたことですから・・・それに・・・セティ様も気持ち良くなっていただけだのですから・・・それで良いではありませんか・・・大好きなセティ様が感じてくれて・・・私、本当によかったです!」
そう言って、彼女はセティの口に軽いキスをした。
一瞬だったが、セティは目を丸くした。
「ティニー・・・」
「セティ様・・・愛しています。ずっと傍にいてください。」
「・・・もちろんだよ・・・私は君を離さない。君が離れていこうとしても、絶対に離さないから・・・」
セティは彼女の体を力強く抱きしめた。
彼の手の中に納まったティニーを、絶対に離さないと宣言するように・・・

「これからは・・・ずっと君を守る。そして・・・一緒に生きていこう、ティニー・・・愛しているよ・・・」
「・・・私もです。あなたを守るために頑張ります・・・あなたと共に歩んでいきます・・・これから・・・ずっと・・・」

そして、二人は・・・もう一度、キスを交わした。
それが、互いの想いを約束し合うかのように・・・





こうして・・・ドズル城の夜は過ぎていった。

 

 

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